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2010年11月28日日曜日

読書録 - 食の堕落と日本人 その2

第2章 日本の食の堕落と崩壊 

お箸のこころは、八百万の神様の存在や、ご先祖様、伝統などの日本人としての縦軸のつながりを感じさせてくれます。そして横軸のつながりを意識したら、周囲の人に不快な思いをさせないように、あるいはその共同体の中で受け入れられるべき作法を身につけようと思うのかもしれません。

ナイフとフォークが使えない西洋人がいたら、さぞかし奇異なことだろう。当人だって恥ずかしいだろうし、周囲から見たら「どんな育ち方をしたのだろう」と思うに違いない。箸の使えない日本人だって同じことである。
(中略)
たった二本の小さな木の枝のようなものだが、ここからさまざまな食文化が発展していくのだ。箸は食の入り口を司る大切な存在であるのだから、そこを粗末にすると心身の入り口からもう堕落してしまう。


お箸の正しい使い方は、単に堅苦しい決まりごととして一方的に決められたものではなく、その伝統の中でいちばん合理的にかつ美しく使う「型」として生み出されてきたものだと思います。意味も分からず厳しく躾けられる間は辛く感じることもあるかもしれませんが、ゼロから自分で使い方や意味を発見していくよりもずっと手っ取り早く、また確実にその道に通じている「型」なのだと、おそらく後になって分かって来るものなのでしょう。

以下 不作法とされるお箸の使い方について調べてみました。

  • 刺し箸   箸を食べ物に突き刺して食べること。

  • 指し箸   箸で人を指差すこと。

  • 二人箸   一つの食器の上で、二人一緒に同じ料理を挟むこと。

  • 立て箸   ご飯の上に箸を突き刺すことは仏箸ともいわれ、死者の枕元に供える枕ご飯のときのみ許されます。

  • ねぶり箸  箸についたものを口でなめること。

  • こじ箸   食器に盛った料理を箸でかき回し、自分の好物を取り出すこと。

  • 涙箸    箸の先から汁をぽたぽた落とすこと。

  • 箸渡し   箸で挟みあげた料理を別の箸で取ったり、箸と箸とで料理のやり取りをすること。

  • 渡し箸   食事の途中で箸を食器の上に渡して置くこと。これは「ご馳走様」の意味になる。

  • かき箸   食器の縁に口をあてて料理をかき込むこと。

  • 叩き箸   食器や食卓を箸で叩いたり、お箸どうしで太鼓のように音をたてること。

  • 探り箸   汁物など食器の中でかき混ぜて中身を探ること。

  • 迷い箸   どの料理にしようかと迷って料理の上であちこちと箸を動かすこと。

  • 寄せ箸   食器を箸で手前に引き寄せること。

  • 受け箸   箸を持ったままおかわりすること。

  • 持ち箸   箸を持った手で同時に他の食器を持つこと。

  • 振り箸   箸先に着いた食べ物を振り落とすこと。

  • 空箸    箸を一度料理につけておきながら、食べないで箸を置いてしまうこと。

  • くわえ箸  箸を置かず、お箸から手を離して口にくわえたままにすること。

  • 移り箸   あれこれとおかずばかり続けて食べること。

  • 込み箸   口に入れた食べ物をさらに箸で口の奥へ押し込むこと。

ついついやってしまってるなぁということもありますが、こういうことをきちんと知って実践していくのが日本人としての下ごしらえの一つなのだろうなぁと感じました。


2010年11月25日木曜日

お箸のこころ

箸の語源

大和言葉の「は」 物の両端、物と物との境目
大和言葉の「し」 物をつなぎ止める、固定する、固着する、静止するなどの意

この二つの言葉を組み合わせた「はし」ということばは、向こうとこちらの二つの世界をつなぐ橋渡しの役目を持つ道具につけられたものだそうです。
例えば、端と端をつなぐ「橋」、高いところと地上をつなげる「はしご」。
そして、「お箸」もつなぐものです。一方の口に運ぶ先は人のもの、もう片方の端は神様のものとして考えられていました。食事の時にはお箸に神様が宿ると考えられていたそうです。

また、お供え物をするときにも「竹」が神様と人=もの(者)とをつなぐ役目をしたことから
その道具が「箸」と呼ばれるようになったといわれています。使うことで神様に感謝を捧げる、人と神様を結ぶ「橋渡し」の道具だったのでした。 

日本人の食事といえば、お箸を使うという行為があります。
正しいお箸の持ち方や、不作法とされる使い方など行儀や作法にも気を付けたいですが
お箸というものは器から口へ食べ物を運ぶための単なる道具ではないのですね。
まず、このお箸の由来、ご先祖様の発想、その心がとても素晴らしいと感じました。

昔の人は、どこへ行くにも自分の箸を持っていき、食事が終われば箸を手拭いでふいて箸入れにしまっていたそうです。今でいうところのマイ箸みたいですが、そればかりではなく死んだ時はお棺の中に箸を一緒に入れたりもしたそうです。

プラスチック製のお箸や使い捨ての割り箸などではなく、美しいお箸を持って大切に使いたくなりますね。長い長い年月、受け継がれてきたお箸のこころを知れば、自然とお箸の行儀や作法を敬う気持ちも湧いてくるのではないかと思います。