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2011年1月3日月曜日

憲法 - 修身書より

修身の最後の巻に収められている憲法について書かれている部分です。
明治の子供は憲法についてこのように教わっていたんですね。
皇祖皇宗の遺訓が根拠であること、天皇と国民が共に従うこと、國體=国柄を明らかにしたものであると書かれています。
簡潔な文章ですが、大事なことがしっかり書かれていますね。

第十七課 憲法

人が團體をなして生活するには、誰も守らなければならない規則が必要です。もしかやうな規則がなく、めいめい勝手氣ままなことをしたら、とても一しよに生活することはできません。それで國のやうな團體では、特に規則が必要です。國の規則はすなはち法令であつて、國民はこれによって保護され、社會はこれによって安寧秩序を保たれるのです。國民がもし法令重んじなかったら、國は秩序がみだれてその存在を全うすることが出来ません。
我が大日本帝國憲法は、天皇がこれに依って我が國をお治めになる大法で、したがって法令の本になる最も大切な規則です。明治天皇は皇祖皇宗の御遺訓に基づかれて國の繁榮と國民の幸福とをお望みになる大御心から、君臣共に永遠にしたがふべきこの大法を御制定になり、明治二十二年の紀元節の日に御發布になりました。
憲法には万世一系の天皇が我が國をお治めになることを示して、昔から變らない國體の本を明らかにしてあります。また國民の國の政治に參與する權利を與へ、法律によつて、國民の身體・財産等を保護し國民に兵役・納税の義務を負はせることがきめてあります。さうして天皇が我が國をお治めになるのに、一般の政務については國務大臣をお置きになつて輔弼をおさせになり、法律や豫算は帝國議會の協賛を經ておきめになり、裁判は裁判所におさせになることになつています。
憲法と一しよに制定された皇室典範は皇位継承・踐祚即位等皇室に關する大切な事柄をきめてある規則で憲法と同じく國の大法であります。

尋常小学修身書―復刻版合本 巻1より巻6まで (1974年) (浪漫文庫) 文部省 http://t.co/mgACXnF

2010年12月27日月曜日

「よい日本人」 尋常小学校修身書より

修身とは「身を正しくおさめ、立派な行いをすることにつとめること」。
教育勅語とともに我が国の教育において重要な位置をあった修身。教育勅語が繰り返し暗唱することで「身に付く」ことを狙ったように、わかりやすい言葉で書かれた修身が日本人の道徳観を養うのに大きな役割を持っていました。

尋常小学校修身書第三第二十七

「よい日本人」

よい日本人となるためには、つねに天皇陛下・皇后陛下の御徳をあふぎ、またつねに皇大神宮をうやまつて、ちゆうくんあいこくの心をおこさなければなりません。
父母に孝行をつくし、師をうやまひ、友だちにはしんせつにし、近所の人にはよくつきあはなければなりません。しやうじきで、くわんだいで、じぜんの心も深く、人からうけたおんをわすれず、人と共同してたすけあひ、じぶんの物と人の物とのわかちをつけ、又せけんのためにこうえきをはからなければなりません。その外ぎやうぎをよくし、物をせいとんし、しごとにほねをりがくもんにははげみ、からだのけんかうにきをつけ、ゆうきをやしなひ、かんにんの心つよく、物にあわてないやうにし、又けんやくの心がけがなければなりません。
かやうにじぶんのおこなひをつつしんで、よく人にまじはり、よのため人のためにつくすやうに心がけるのは、よい日本人になるに大切なことです。
さうしてこれらの心えはまごころからおこなはなければなりません。          


修身書は旧仮名遣い(正統仮名遣い?)なので、少し慣れるまでは読みにくいかもしれませんが、小学生でもわかるように平易な言葉で書かれているので、すぐに読めるようになるでしょう。
いわゆる日本国憲法に書かれているような「個人の権利」のみを尊重した現代の個人主義が広まった時代では、「よい」日本人が何か、「こうしなければいけない」という教えなどは、思想の押しつけだという人も出てくるでしょうが、書かれていることはもっともなことばかりです。
ここに書かれているようなことを大人が実践して子供に示すようにすれば、決してそれは押しつけにはならないでしょうし、これらは修身書として書かれる前から日本人が良いと思って実践してきたことでもあります。
開国や明治維新を経て日本には欧米の文化や学問が激流のごとく流れ込んできましたが、日本人としてどうあるべきか、あるいは日本人はどんなだったのか、ということが薄れていくことへの懸念もあったと思います。
このような教えが当たり前だった時代の日本人と今の日本人はどれくらいの違いがあるのでしょうか?

今回は自分の反省も含めて、修身の1ページをご紹介しました。
「物をせいとんし」・・・年末の大掃除をやらなくては。


本ブログに情報提供をしていただいているうけひのもり学園様より『月刊みんなのうけひのもり』のサンプルをいただいて紹介しました。『月刊みんなのうけひのもり』には小学生でも読めるような漫画を使った「日本人らしい生き方」や大人が読んでもうなるような思想、哲学、法学、歴史に関する内容、家庭菜園や文化に関する話題など、日本を知るために有益な情報がぎっしり詰まっています。「うけひのもり」のホームページはこちら→ http://ukehi.com/

2010年12月18日土曜日

「自立自営」 尋常小学校修身書より

近江に高田善右衞門といふ商人がありました。十七歳の時、自分ではたらいて家をおこさうと思ひ立ちました。父からわづかの金をもらひ、それをもとでにして、とうしんとかさを買入れ、遠いところまで商売にでかけました。道にはけはしい山さかが多かったので、善右衞門はかさばつた荷物をかついで登るのに、大そうなんぎをしていましたが、片荷づつはこび上げて、やうやう山をこえたこともありました。又時々はさびしい野原を通って、村々をまわつてあるき雨が降っても、風が吹いても、休まずにはたらいたので、わづかのもとでで多くの利益をえました。
その後呉服類を仕入れて方々に売りあるきました。いつも正直で、けんやくで、商売に勉強しましたから、だんだんと、りつぱな商人になりました。

尋常小学校終身書 第四月第十三


教育勅語と並ぶものとして道徳を教えるのが修身書。
なくす必要はなかったと思います。