2011年2月24日木曜日

読書録―シュリーマン旅行記 清国、日本

冬の休日はベッドに潜って読書が楽しいですが、だんだん暖かくなってきましたね。

今日の一冊はこれ。

シュリーマン旅行記 清国・日本

トロイア遺跡、ミケナイ遺跡を発掘したことで有名なシュリーマン、彼が幕末の日本に来ていたことをご存知でしょうか。
その手記が本書。日本語にして200ページほどなのですが、3分の1を清国に、3分の2を日本に割いているあたりに彼の日本への興味がうかがい知れます。

まず、彼が驚いたのは船頭の格好。
全ての描写が事細かくてとても面白いのです。

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彼らが身につけているものといったら一本の細い下帯だけで、そもそも服を着る気があるのかどうか、怪しまれるくらいだ。しかし、彼らはからだじゅう、首から膝まで、赤や青で、龍や虎、獅子、それに男女の神々を巧みに刺青しており、さながらジュリアス・シーザーがブルトン人(古代イギリス人)について語ったところを彷彿とさせる。すなわち『彼らは衣服こそまとっていなかったが、少なくとも見事に(からだを)彩色している』。
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船頭の労賃は四天保銭(13スー)。清国だったらその4倍は吹っ掛けられていたとか。
税関も賄賂を受け取ろうとせず、と武士道が行き届いていた模様。

彼が初めに何より驚いたのは日本の住宅。
押し並べて清潔で簡素だったのだそう。

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”ござ”(畳)は長椅子やテーブル、ベッド、マットレス__おそらく日本人がその存在も使用法も知らないんのの代わりに使われている。実際日本には家具の類が一切ない。せいぜい部屋の片隅に、長さ1メートル、幅、高さともに60センチのコンロ(長火鉢か?)に似た持ち運びのできる小さな竈があるくらいのものだが、家族の質素な食事を用意するにはそれで充分間に合う。
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また、園芸が好きで、いつも外を綺麗にしているともありました。
おそらく庶民だか長屋の暮らしを描写したものでしょう。

シュリーマンはこのような生活を見て気付くのです。
彼が一番だと思っている、ヨーロッパで必要不可欠だとみなされていたものの大部分は、もともとあったものではなく、文明がつくりだしたものであると。

日本人は昔から、省エネ生活をしていたのですね。

私も読みながら、無駄の多い生活をしているなあと反省しました。

この本は他にも学ぶことが沢山あるので是非どうぞ。

3 件のコメント:

Love Nippon さんのコメント...

寄稿ありがとうございます。
清潔で簡素な生活。
自分の生活をみるとまったくそうではないです。
いらないものを無くして行こうと思っているのに、別のものが増えて行くという感じ。

wakaki さんのコメント...

Love Nippon さん

コメントありがとうございます。
私もざっと部屋を見回しただけでずいぶん色々なモノが置いてあります。

船頭なんか二畳の小屋で寝泊まりしていたというのにね。

シンプルに生きるって現代では難しい事なのかもしれませんね。

wakaki さんのコメント...

LoveNipponさん

コメント有難うございます。
なかなか難しいですよね。
部屋をざっと見回しただけでいろんなものに囲まれています。
シンプルに生きるって現代では難しい事なのかもしれません。