2011年2月11日金曜日

東条英機の遺言

東条英機の遺言

●英米諸国人に告げる

今や諸君は勝者である。我が邦は敗者である。
この深刻な事実は私も固より、
これを認めるにやぶさかではない。
しかし、諸君の勝利は力による勝利であって、
正理公道による勝利ではない。
私は今ここに、諸君に向かって事実を列挙していく時間はない。
しかし諸君がもし、虚心坦懐で公平な眼差しをもって
最近の歴史的推移を観察するなら、
その思い半ばに過ぎるものがあるのではないだろうか。
我れ等はただ微力であったために
正理公道を蹂躙されたのであると痛嘆するだけである。
いかに戦争は手段を選ばないものであるといっても、
原子爆弾を使用して無辜の老若男女数万人
もしくは数十万人を一挙に殺戮するようなことを
敢えて行ったことに対して、
あまりにも暴虐非道であると言わなければならない。
もし諸般の行いを最後に終えることがなければ、
世界はさらに第三第四第五といった世界戦争を引き起こし、
人類を絶滅に至らしめることなければ止むことがなくなるであろう。
諸君はすべからく一大猛省し、
自らを顧みて天地の大道に恥じることないよう努めよ。

●日本同胞国民諸君

今はただ、承詔必謹する
〔伴注:終戦の詔を何があっても大切に受け止める〕だけである。
私も何も言う言葉がない。
ただ、大東亜戦争は彼らが挑発したものであり、
私は国家の生存と国民の自衛のため、
止むを得ず受けてたっただけのことである。
この経緯は昭和十六年十二月八日の宣戦の大詔に
特筆大書されているとおりであり、太陽の輝きのように明白である。
ゆえにもし、世界の世論が、戦争責任者を追及しようとするならば、
その責任者は我が国にいるのではなく彼の国にいるということは、
彼の国の人間の中にもそのように明言する者がいるとおりである。
不幸にして我が国は力不足のために彼の国に敗けたけれども、
正理公議は厳として我が国にあるということは
動かすことのできないことである。
力の強弱を、正邪善悪の基準にしては絶対にいけない。
人が多ければ天に勝ち、
天が定まれば人を破るということは、天道の法則である。
諸君にあっては、大国民であるという誇りを持ち、
天が定まる日を待ちつづけていただきたい。
日本は神国である。
永久不滅の国家である。
皇祖皇宗の神霊は畏れ多くも
我々を照らし出して見ておられるのである。
諸君、願わくば、自暴自棄となることなく、
喪神落胆することなく、皇国の命運を確信し、
精進努力することによってこの一大困難を克服し、
もって天日復明の時が来ることを待たれんことを。

●日本青年諸君に告げる

我が日本は神国である。
この国の最後の望みはただ諸君一人一人の頭上にある。
私は諸君が隠忍自重し、
どのような努力をも怠らずに気を養い、胆を練り、
現在の状況に対処することを祈ってやまない。
現在、皇国は不幸にして悲嘆の底に陥っている。
しかしこれは力の多少や強弱の問題であって、
正義公道は始終一貫して
我が国にあるということは少しも疑いを入れない。
また、幾百万の同胞がこの戦争のために国家に殉じたが、
彼らの英魂毅魄〔美しく強い魂魄〕は、
必ず永遠にこの国家の鎮護となることであろう。
殉国の烈士は、決して犬死したものではない。
諸君、ねがわくば大和民族たる自信と誇りをしっかり持ち、
日本三千年来の国史の導きに従い、
また忠勇義烈なる先輩の遺旨を追い、
もって皇運をいつまでも扶翼せんことを。
これこそがまことに私の最後の願いである。
思うに、今後は、強者に拝跪し、世間におもねり、
おかしな理屈や邪説におもねり、
雷同する者どもが少なからず発生するであろう。
しかし諸君にあっては日本男児の真骨頂を堅持していただきたい。
真骨頂とは何か。
忠君愛国の日本精神。
これだけである。


いわゆる東京裁判において戦犯とされて処刑されたのは陸軍ばかりでした。理由はよくわかりません。不思議な話です。

3 件のコメント:

郷援社の人 さんのコメント...

今の総理が財政破綻にあたり、これくらい格調高いことを述べることができるでしょうか。

その意味では東條氏は立派だったと思います。内容については、賛同するところは少ないですが、姿勢は認められるところ大だと思います。

なお、海軍にA級戦犯が少ないのは、海軍の軍人の多くが政治への関与を嫌ったためであり、起訴されたのは海軍大臣経験者の二名だけです。

それに対して陸軍は、政府方針に反して戦争を拡大させたと解釈されており、平和への罪という事後法で裁かれてようです。

もっとも海軍は米国とのコネが戦前からありましたし、陸軍を悪玉にすることで名誉まで守りました。予算に対するパフォーマンスは陸軍以下ですが、戦後、陸軍は愚かで弱く、海軍は優秀で強かったという定説へと繋がるようです。

裁判の名に値しないと思いますが、それを覆す国力もなく、致命的なのは国民がそれを受け入れ、それを正しいものと考えているということです。

Love Nippon さんのコメント...

コメントありがとうございます。
賛同できないところはどんなところですか?

これを正しいと思って受け入れている人ってどれくらいいるんでしょうかね?

郷援社の人 さんのコメント...

まぁ、多々ありますよ。
敗戦により国体の危機を招いた責任を感じてほしいところです。軍部はあまりにも無謀でしたから。

細かい話しをすると荒れるし、議論する能力に欠けるような方々の相手は疲れるので、遠慮しておきます。