2011年2月6日日曜日

資料室 - 日本の「典」と「憲」

さまざまな憲法に関する議論があります。憲法を改正しよう、このまま守ろう、あるいは自主憲法を制定しようというものなど、政党の政治的な提案や新聞社の提案をよく目にします。

聖徳太子の作った憲法十七条はやまとことばでは「いつくしきのりとをあまりななをち」と言いますが、「いつくしきのり」とは「厳かな規範」というような意味です。

長い間、日本では憲法は國體法を指し示すもので、文化的あるいは伝統的な側面と技術的な側面を規定したものと考えられてきました。歴史的な時間という軸に、その中で育まれてきた文化や精神という軸、そして技術的な規定としての規範という軸によって織りなされた立体的な構造を、文章として平面に投影したものが、一般的に言われる成文憲法ということになります。
このような観点からみれば、自主憲法はすでに存在していることになりますし、「厳かで変えてはいけない」ものと、時代や環境の要請によって変更される「技術的な部分」とを混同して議論し、伝統的・文化的側面を無視し、技術的側面だけを見て、条文をいじって改正する、白紙にして作り直すということは容易にできるものではありません。

日本の長い歴史の中で、神々の御神勅、天皇の御詔勅、天皇の御製や万葉集などで表現された精神や感性など、日本人が掟として、あるいは手本として尊重してきたものがたくさんあります。それらが日本を日本たらしめる、日本人を日本人たらしめることに関わっています。
そういったものを知っておくのも、日本が日本であるため、日本人が日本人としての自己を認識する一助になるのではないかと考え資料室を作りました。
憲法に関して考えるときに活用していただければと思います。

資料室 - 日本の「典」と「憲」
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