大好きな納豆が手に入りにくくなりました。
私たちは普段多くの加工食品に囲まれています。お金があれば食べ物を買えると思っています。
大災害があると、農家、食品工場、流通が破壊されて、お金があっても食べ物を手に入いらなくなります。
買いだめしようにも、電気が来なくなれば冷蔵庫は使えません。
このような問題は、食べ物をまるで工業製品のように扱って、複雑な分業体制で作り、作る人と食べる人が分かれ、いつでも手に入れることができないエネルギーに依存していから起きることです。
今回の地震で被害が多かった地域には農業が盛んなところが多く含まれています。食品加工会社も多いようです。首都圏に供給する電気を作る発電所も壊滅的な被害を受けました。
最近では地産地消という掛け声で、近くの食べ物を食べようという動きも出ていますが、もともと農業や漁業が盛んな地域はともかく、都会生活者は依然として「どこか遠くで採れた食材を使い、いくつもの工程と多くの手間をかけて作った食品」を買っているのが実情ではないでしょうか?
最近では、このような状況が危機的だという認識のもと、小さな土地でも多品種の作物を栽培できるパーマカルチャーのような考え方が提唱されています。これは自然の力を生かした小規模集積型農法とでも言えばいいでしょうか。
そういう方向に行かざるを得ないという認識を持っている人も増えているようです。
日本列島が海に沈むような事態でなければ、小規模な自給自足の単位が分散・連携するような社会構造は柔軟で強固だと思います。
今後は生産性の高い農法と危険性が低く小さな設備でできる発電システムへの移行が進むかもしれませんし、そうしなければ、震災の有無に関わらず、未来は明るくないと思います。
私たちの主食は米です。
米を十分に作るには、広い面積が必要なので、家庭菜園でというわけにはいきません。
現在は減反政策によって流通価格を調整しており、玄米による備蓄はわずかです。
米は籾米の状態であれば長期間の保存が可能な穀物ですから、備蓄は籾米で行い、休耕田をフルに使ってもっと多くの米を生産して、大量に備蓄に回せば流通価格も調整できると思います。
なんで今までやらなかったんでしょう?
この考え方は一般の家庭でも役に立ちます。
調べてみると、籾米の備蓄方法が特許庁のデータベースにありましたので、以下に引用します。
今年の秋は、東北で採れたての籾米をたくさん買って備蓄してみてはいかがでしょうか?
ご飯のおかずになる野菜を自分で育ててみるのもいいかもしれません。
米の備蓄方法
課題
米の備蓄方法を根本的に改善し、長期の保管に適合し、長期の保管で米の味覚が劣化することがなく、「回転備蓄方式」を円滑に運用可能とする備蓄方法を提案する。また、米の備蓄期間の長期化により十分な量の備蓄を可能とし、米の需要の増大で稲作経営の安定化を図る。
解決手段
所定倉庫にて保管管理の下で備蓄米を保管する米の備蓄方法において、備蓄米を籾米の状態で保管することを特徴とする。また、所定重量の籾米2を不織布製の内袋3内に詰め、これを段ボール製の箱体4に収納した保存備蓄箱1を用いて備蓄米を保管する。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定倉庫にて保管管理の下で備蓄米を保管する米の備蓄方法に関し、長期の保管に適合する米の備蓄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、凶作時に安定した米の供給を目的とした米の備蓄は、150万トンを基本に常時100万トン以上を目標として運用され、これらの備蓄米は、政府備蓄米として10数カ所の政府倉庫と、政府と契約した農協等などの民間倉庫約9000カ所に分散して保管されている。備蓄米としては玄米が用いられ、玄米は、穀温が15度以上で害虫が発生し、水分含有率が15%以上でカビが発生するなどの特質を有し、これらの弊害による品質の劣化を防ぐため、常時15度以下、湿度70から80%の条件の下で保管されている。このような保管管理の下でも玄米の食用としての保存期間(賞味期間)には限度があり、備蓄米を一定期間保管した後に古いものから順次消費を図る「回転備蓄方式」が採られ、備蓄米を半分以上含むものには、「たくわえくん」(商標登録第4219057号、第4292060号)のPRマークを付して販売されている。
【0003】
また、米の需給をバランスさせ、過剰供給による米価の暴落を防止して稲作経営の安定化を図るため、米の作付け面積を制限する生産調整政策が採られている。この生産調整政策に基づいて、休耕田を水田として維持管理するための補助金や、他の作物への転作のための助成金など、多額の生産調整金が支払われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、中国、インド、東南アジア諸国の人口爆発による世界人口の急増や、先進国のエネルギー浪費による環境破壊、これに起因する地球規模の異常気象・天候不良による世界的凶作などにより、近い将来の世界的食料危機の到来が予測されている。上記の150万トンの米の備蓄量は、月当たり消費量に換算すると2カ月分に満たず、世界的食料危機への備え、及び食料の安全保障の観点からは不十分な備蓄量である。
【0005】
また、そもそも玄米による備蓄は、保存期間に伴う味覚の低下が避けられず、一年以上保管された備蓄米は、消費者の新米志向から古米、古々米として売れ残り、収穫-備蓄-消費のサイクルが機能せず、「回転備蓄方式」が円滑に運用されていない。さらに、多額の生産調整金は財政を圧迫し、休耕田や耕作放棄田の増加は農村の景観悪化や荒廃を招くなど、米政策自体に課題がある。
【0006】
この発明は、こうした米の備蓄方法を根本的に改善し、長期の保管に適合する米の備蓄方法を提案し、長期の保管で米の味覚が劣化することがなく、「回転備蓄方式」を円滑に運用可能とする備蓄方法を提案するものである。また、米の備蓄期間の長期化により十分な量の備蓄を可能とし、米の需要の増大で稲作経営の安定化を図るとともに生産調整金を不要とするなど、農業政策上極めて有益な米の備蓄方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題を解決するため、この発明の米の備蓄方法は、所定倉庫にて保管管理の下で備蓄米を保管する米の備蓄方法において、備蓄米を籾米の状態で保管することを特徴とするものである。
【0008】
また、このようにして保管する備蓄米を、生産調整政策に基づく休耕田にて生産するものである。
【0009】
また、この発明の米の備蓄方法において、所定重量の籾米2を不織布製の内袋3内に詰め、これを段ボール製の箱体4に収納した保存備蓄箱1を用いて備蓄米を保管するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明の米の備蓄方法は、籾すり前の籾殻が付いた籾米の状態で米を備蓄するもので、籾米は生きたままの状態で備蓄され、所定の温度・湿度の保管管理下であれば10年程度の長期の保管に適合することができる。また、この保管期間の間には種籾として使用可能であるとともに、籾すりして玄米とし、さらに精米して白米とすれば、新米と変わらぬ味覚で食することができる。このように、籾米は長期の保管で米の味覚が劣化することがなく、備蓄米を一定期間保管した後に古いものから順次消費を図る「回転備蓄方式」を円滑に運用することができる。
【0011】
また、籾米の状態で保管される米の備蓄期間を長期化することで、世界的食料危機に備えて備蓄量の増大を図ることができ、必然的に米の需要が増大する。したがつて、米政策を転換し、生産調整政策に基づく休耕田にて備蓄用の籾米を生産することで、この需要増加に対応し、米の生産調整金が不要となるとともに、稲作農家は安定した収益を得ることが可能となるなど、農業政策上極めて有益である。
【0012】
また、この発明の米の備蓄方法で用いる保存備蓄箱1は、不織布製の内袋3が通気性、抗菌性、防虫性に優れ、段ボール製の箱体4が通気性に優れるので、害虫の発生やカビの発生を防止し、籾米2が呼吸して生きたままの状態での保管に適するものである。また、保存備蓄箱1は、素材が安価で廉価に製作され、箱体4が段ボール製であるから緩衝性を有し、箱形であるから運搬、積層等の取り扱いに優れ、表面に識別表示を印刷し、又は識別ラベルを貼り付けて容易に管理可能であるなど、倉庫保管上極めて実用的な効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び2に、この発明の米の備蓄方法において、籾米2を保管するために用いる保存備蓄箱1の実施例を示す。図に示すように、保存備蓄箱1は内袋3と箱体4で構成され、内袋3は通気性、抗菌性、防虫性に優れる不織布製で、箱体4は所定強度の段ボール製で、保存備蓄箱1の外観形状は直方体又は立方体である。内袋3内に、籾すり前の籾殻が付いた籾米2が所定重量詰められ、この内袋3を箱体4内に収納して保存備蓄箱1が製造される。
【0014】
保存備蓄箱1は所定倉庫に搬入、積層され、所定の温度・湿度の保管管理下で保管される。保存備蓄箱1は、箱体4の表面に、米の銘柄、産地、入庫年月日等の識別表示を印刷し、又はこれらの内容のバーコード等の識別ラベルを貼り付けて管理される。保存備蓄箱1内に収納する籾米2の重量は、10kg、20kg等、個数を数えるだけで備蓄量(在庫量)が容易に積算される単位に設定することが便利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の米の備蓄方法で用いる保存備蓄箱の実施例の斜視図。
【図2】同じく実施例の断面図。
【符号の説明】
【0016】
1 保存備蓄箱
2 籾米
3 不織布
4 箱体
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