核融合によって生じたエネルギーが、光の速度で8分20秒という遠い距離にある地球に降り注いでいます。
石油だって元は太陽のエネルギーを使って作られたものですから、すべてのエネルギーは核融合によって作られたと言っていいでしょう。
現在、多くの家庭に来ている電気は交流ですが、家電製品の多くが直流に変換して使っています。発電システムができた頃は交流の方が効率が良いとされていたようですが、発電したときは直流の電気を、いったん交流に変換して、それを家庭で再度直流に変換している訳ですから、大きなロスが生じています。このロスはパソコンなどのACアダプターが熱を持つ、つまり熱として電気エネルギーが逃げていることによって実感できますね。今では高性能な直流/直流コンバーターが開発されるようになったので、いずれ直流のまま配電されるようになるのでしょうか?
人工衛星に搭載されるソーラーパネルのセルの発電効率は民生用のものの3倍だとか。
このセルを約5メートル四方に敷き詰めて、昼間は自動車のバッテリーを流用した蓄電システムに電気をためながら電気を使えば、普通の家庭1つ分の電気を完全にまかなえるらしいです。
もし広い設置場所があれば、民生用のソーラーパネルとバッテリーも合わせても、600万円ほどだそうです。(飽くまでも理論値を元にした計算なので、実用的なシステムになるかはわかりません)
このソーラーパネルを作るためには、大量の材料(資源)を必要としますので、今度はその資源が足りるかどうかという問題が出てくるでしょう。
将来有望なのは核融合技術です。
現在、研究が進められている核融合発電では、重水素とリチウムを使います。どちらも海水からとることができます。重水素0.1グラム(海水3リットル中にある量)と携帯電話のバッテリーに使われているリチウム0.3グラムで、私たちが一人で一年間に使うだけの電気を作ることができるそうです。資源は無尽蔵にあると言っていいと思います。
核融合反応で作られる廃棄物はヘリウムです。
現在の原子力発電で使われている核分裂技術では、放射線を含んだ廃棄物が出て処理が困難ですが、ヘリウムは放射性廃棄物ではありませんし、人間にも害はありませんので、廃棄物の処理で困ることもありません。
技術開発が進めば、資源の枯渇がなく、廃棄物の処理が安全で、どこでもとれる資源である海水を使う核融合が圧倒的に良さそうです。
現在では技術的な課題が多いようで、実用化には時間がかかりそうですが、エネルギーの自給は国家の存亡に関わる問題と捉えて、積極的に研究開発に投資されると良いと思います。
偏在しない資源、枯渇しない資源、安全な廃棄物という優等生の核融合ですが、それでもまだ問題が残ります。
現在の発電配電システムにも同じことが言えますが、発電場所と消費場所が離れていることです。これは地震などで途中の配電システムに障害があれば、電気の供給が止まるということです。
つまり理想的なエネルギーシステムは、発電場所と消費場所はなるべく近い方が良く、小型の発電システムが自律的に、分散配置され、もしものときのバックアップとして統合される状態にしなければなりません。
これらの条件をすべて満たすものとして期待されているのが常温核融合技術です。
小型で高温にならずに発電できるということになれば、家の敷地に発電設備を置いても構わないわけです。
また、どこでもとれる資源を使って、安価に発電ができるなら、資源を持たない国にその技術を提供すれば、生きるための資源を取り合って争いを起こすことも減るでしょう。
これこそが原子力の平和利用ではないでしょうか?
日本は多くの優秀な研究者がおり、科学技術も発展しています。
エネルギーは国家の大事でもあります。
思い切った振興政策と制度を作って推進すべきではないでしょうか?
直接、研究開発に携わらない人も、発想を切り替えて、知恵を出して、安全で永続性のある発電システムを作るために団結する。
そんな希望を持てる未来のために努力してもいいのではないかと思います。
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