2011年1月29日土曜日

外国人に国への忠誠を求めるべきか

外国人参政権や国籍法の問題があって、外国人が日本に来て国籍を取ることに対する危機感を募らせている人が増えました。異質なものを嫌うという感覚でしょうか?

中には日本に来て悪事を働く外国人、日本の生活様式とは違う迷惑な行いをする外国人がいるのは確かです。だからと言って帰化しようとする外国人に「日本に対する忠誠心を誓わせろ」と言うのは正しいでしょうか?あるいは意味があるでしょうか?
そもそも「誓う」というのがいかにも日本的じゃないと思うのは私だけでしょうか?

どうやって「忠誠心がある」ことを確認するんでしょうか?
「忠誠心があると言う(誓う)」「忠誠心があると書く」で忠誠心があるということが確認できるんでしょうか?
あるいは徴兵でもしますか?
だったら日本人も徴兵しないと都合が悪くなります。
効果の測れないものをわざわざ制度化するのは馬鹿げています。

アメリカ合衆国は、先住民族の土地、財産、命を奪うという侵略をした後に移民によって作られました。先住民が持っていた祖先崇拝や自然信仰を破壊して移民が作った国です。
そんな国では人々に何を頼りに国民たることを意識させるかが重要になってきます。
そのための道具として「国家への忠誠を誓う」「徴兵する」「国旗国歌をしつこいくらい明示する」という手段を使う。あるいは「理念」をうたって「思い込ませる」というやり方が必要になります。
そういう後付けの方法で国民をまとめるんです。
そうでもしないと「自分はアメリカ人だ」という自覚ができない、国がまとまらない、ということになってしまう。

日本はどうかといえば、悠久の歴史と伝統があり、皇室が存在し、祭祀の長とも言うべき天皇が祖先祭祀や自然祭祀を滞りなく続けておられます。日本語には祭祀的な意味のある言葉も多く、日本人はそういう言葉や日頃の行いを通じて祖先祭祀や自然祭祀を行っています。例えば「箸」(はし)は「橋」(はし)と同じで、人と神の橋渡しの意味があるなど、日常の中に祭祀的な要素が含まれています。
ナイフは切る武器、フォークは差す武器。武器で食べ物を食べるのに対し、神様と人とが一緒に食べるのに使われるのが箸です。
外国人にはこういうことを説明できる日本人でありたいものです。

日本には国民をまとめるものが既に存在し、後付けの理念などではありません。
意味があるから宮中祭祀は続けられています。
なので理念で国民を統合する必要はないし、忠誠心を誓わせることで国民の自覚を確認する必要もない。外国人を受け入れる場合には、この日本の歴史、伝統、思想を理解してもらうようにすること、そのためには自らが日本人としての自覚を持ち、祖先祭祀を実践し、それを教えられる日本人になることです。日本人らしい日本人で溢れている状態にすることです。


外国人による犯罪が問題なのであれば、犯罪への処罰を法に基づいて徹底して行うということで十分なはずです。
伝統ある日本人が侵略国家の真似をする必要はありません。
日本人が日本人としてしっかりすることが大事です。

補足

神という言葉はキリスト教などのGodを訳した言葉ですが、本来的には日本の神は「上」の意味ですので、Godを神と訳したのは誤りだったと思います。祖先から受け継いできた命がありがたいと思う、その祖先の先に八百万の神を想起する、一人一人の祖先が天皇の先祖、皇祖皇宗とつながっていることを感じ取る。先祖の「上」にあるものが神です。宗教の神と日本人にとっての神は違います。

4 件のコメント:

koe さんのコメント...

思うに中韓批判にしても、大騒ぎしてる人々は驚愕→恐怖のどこかのステージにいるのでしょうから、いずれその大慌て状態から脱する時が来るかと・・・

人の悪いところが目につくときは自分が幸せじゃない状態なんですよね。
人を変えることよりまず自分から変わるということですね。肝に銘じます。。

wakaki さんのコメント...

凄く自然にわかるお話でした。
外国人に日本の文化をちゃんと説明して、お手本を見せられる日本人にならないといけないなあと、反省。

Love Nippon さんのコメント...

koeさん
確かに怖い不安という気持ちが現れているような場合もありますね。怖がる前に怖がらせればいいって思います。

Love Nippon さんのコメント...

wakakuさん
自分ができることはたくさんあると思うんですよ。悪いことを批判するのはいいけれど、悪くないものまで一緒に批判するのはおかしいですよね。