2011年1月13日木曜日

漫画読書録―うた恋い。

―百万人のために歌われたラブソングなんかに、僕は簡単に想いを重ねたりはしない― 
ポルノグラフィティ ヒトリノ夜より


超訳百人一首 うた恋い。

百人一首が好きで、毎年お正月には親戚とやって遊ぶのですが、今年は従姉の子供たちがノロウイルスにやられてしまって出来ませんでした。
帰る前にこの漫画を読んだのでかなり楽しみにしていたのですが、残念。

内容は百人一首の恋の歌が詠まれた背景とドラマを現代風に漫画でよみがえらせたものです。
本屋さんで万葉集が並んでるような棚に行くと、解説漫画がそれこそ沢山並んでいますが、漫画だからといって馬鹿にしてはいけません。これは秀逸。入門としては一番入りやすいものじゃないでしょうか。

筑波嶺の みねより落つる みなの川
恋ぞつもりて ふちとなりぬる (小倉百人一首 13番 作者・陽成院)

あるかないかの想いでさえも 積もり積もって
今はもう 君のことがとても愛しい

陽成院が、正室綏子内親王に送った歌だそうです。正室ですから、勿論政略結婚。
最初は気が向かなかったが、後々になってとても愛しくなってきたということが、漫画と歌からすうっと伝わってきます。

冒頭のポルノグラフィティの歌の一節の言うとおり、恋の歌というものは誰か一人のために歌うもの。欧米の方は歌をメロディやリズムで、日本人は歌詞で良し悪しを判断すると言いますが、まさにそれは和歌のなごりなんだなあと実感しました。

恋の歌の他にも、和歌には短い節の中にその人の人生、想いが篭められています。

そういう歌を歌える人になれたらかっこいい、そんなことを考えさせられた一冊でした。



追記:あまりこんな事を書いて水をさしたくはないのですが、この漫画は百人一首やその詠まれた背景を元にしているとはいえ、作者さん独自の解釈の上で、楽しむための作品ですから、ご了承の上読んでくださいね。

7 件のコメント:

不動明王 さんのコメント...

私も和歌を詠える人になりたいと思います。
家内や子供にまた振れ合う方々に、そのときどきの心情をスーッと詠めたらいいなあって本当に思うものですが、取り繕った文言ですので、駄目ですね。
教えを請わなければならないのではないかと思います。(^^ゞ

wakaki さんのコメント...

不動明王さん

コメントありがとうございます。
確かに、教えてもらったり訓練しないと難しそうですね。

夏目漱石が"I love you"の訳は「愛してる」じゃない。
日本人なら「月が綺麗ですね」で通じる!!

なんて言ったという話がありますが、それは伝える方にも大和言葉の技が必要なんだろうなあと思いました。

気持ちとか生き方とか伝えたい事がしっかりしていれば、練習して読めるようになるかも!?(^_^;)

Love Nippon さんのコメント...

「月が綺麗ですね」で通じる。
いいですね!

wakaki さんのコメント...

Love Nipponさん

コメントありがとうございます。
素敵ですよね!!

くるP さんのコメント...

やまとことばを勉強して、私もおうたが詠めるようになりたいです!!

wakaki さんのコメント...

くるPさん

私もです!!

wakaki さんのコメント...

くるPさん

私もです!!
やっぱり習うしかないんでしょうかね?