2011年10月6日木曜日

大日本帝国憲法入門(1) 第1条 天皇統治と万世一系 (´ω`)

 こんばんは(´ω)


 今日から、大日本帝国憲法の各条文の解説をしていきます。


 大日本帝国憲法は冒頭の「告文」「憲法発布勅語」、並びに全七章、全76条の条文から成り立っています。「告文」「憲法発布勅語」には、憲法が私たち日本人が連なる先祖の神々の世から培われてきた法に則り、この憲法を発布する旨が宣言されています。


 ところで、各条文の解説をする前に、お断りしておきます。


 以前からお話しているように、憲法とは本来国体に関する不文法(書かれざる法)です。その不文の国体に関する法のうち、成文化するのが適切であると起草者らが判断した一部分を文字に起こしたに過ぎないものが成文憲法(ここでは大日本帝国憲法)なのです。


 ここでは、文字によって表現することが到底難しい国体の神聖性などは成文憲法で表現しきれず、削ぎ落されてしまうことになります。従って、前回お話したように、成文憲法は不文憲法の一部を表現したものにすぎません。不文憲法=聖なるもの、成文憲法=俗なるものというわけです。


 つまり、憲法とは国体に関する規範ですが、あくまでもその中の成文化し得るものだけが成文化されているわけです。国体の神聖性を完全に成文化することは不可能で、成文化されるのはその影のような部分でしかありません。


 従って、ここで行う解説は、国体に関する事柄全てについて行うことはできません。あくまでも国体に関する規範のうち、成文化し得る、成文化されたものだけの解説にとどめます。


 たとえば、天皇の役割は祭祀と統治です。この二つはどちらも同じ重要な役割です。しかし、ここでは統治についてのみ扱い、祭祀については扱いません。成文憲法は専ら国政に関わる規範を集めたものであって、祭祀についてはその範囲外であり、そして何よりもその神聖性のゆえに完全に成文化することは難しいものなのです。


 また、本来は国体に関する規範とはいえないようなもの(憲法ではないもの)さえも、国体に関する規範と一体で成文憲法に載せておけば都合がいい、という便宜上の理由で成文化されているものもあります。


 これは、各条文にはそれぞれ、本来の憲法であるものとそうでないものの違いがあるということを意味します。これこそがまさに、憲法の「改正権の限界」なのです。


 すなわち、憲法にはどうしても時代の流れにあわせて、改正しなければならないところが出てきます。このとき、憲法を部分的に改正するわけですが、「変えていいところ、悪いところ」があるのです。これを改正権の限界といいます。変えてはいけないところを区別するのです。


 この「変えてはいけないところ」こそが本来の憲法(=不文憲法を成文化した条文)なのです。つまり、国体に関わる規範は改正できません。以前からお話しているように、国体を変更することは誰にも、永久にできません。


 従って、もしも国体に関わる規範を変更してもそれは不文の法に基づいておらず、従って憲法ではないので、たとえそれが条文になっていても無効である、というわけです。


 大日本帝国憲法を復元するにおいては、改正しなければならない箇所についての議論がなされることでしょう。その時には、「その条文が不文憲法に基づくものであるかどうか」が基準となるわけです。




 大日本帝国憲法


 第1章 天皇


 第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス


 我が国の国体の核心は、法の下の天皇による祭祀と統治です。このうち、天皇による統治の部分を確認するために設けられたのが第1条です。すなわち、この条文は天皇による我が国の統治という、国体に関する不文の法の中で最も重要なものを成文化した条文です。


 この条文には、それと並んで重要な不文の法が含まれています。それが「万世一系」です。


 『古事記』では、天照大御神が天孫邇邇藝命に対して、「豊葦原水穂国は汝知らさむ国ぞ」と詔なさいます。邇邇藝命は神々を従えて日向の高千穂に天下られ、我が国を知らしめし給うのです。


 そして、実に皇祖天照大御神を遡り、高天原に初めてお姿を現された天之御中主神に皇室の流れは始まり、現在に至っているのです。


 この天照大御神の詔には、未来永劫も、我が国を天皇が統治されるべきことが含まれています。果てしない過去から現在、そして永劫の未来に至るまで・・・まさに、「君が代」に歌われていることそのままですね。


 このように、この条文は「我が国を天皇が過去も、現在も、未来永劫に及んで統治されるのだ」という不文の法を成文化したものです。


 このように、この憲法第1条は、我が国の国体の核心のうち、統治に関する総論的な事柄を実に簡明に表現したものであり、憲法中最も重要な規定です。


 そして、その万世一系、特に皇位継承のあり方、並びに統治について、もう少し詳しく述べたもの、それが続く第2条並びに第3条です。次回は、第2条「皇位の男系男子継承」についてお話致します(´ω) 




 

 このブログはこちらからの転載です。『大日本帝国憲法入門』http://ameblo.jp/sangreal333/

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