天照大御神は天孫降臨の際、
一、天壌無窮の神勅 『豊かな葦原の水(瑞)穂の國は皇孫のしらしめす國です。天つ神の日嗣(ひつぎ)である皇孫と御國は天壌無窮に榮ます。』
二、宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅 鏡をお授けになり、『この鏡を私とおもって、常に側において斎祭(いつきまつり)なさい』
三、斎庭(ゆにわ)の稲穂の神勅 皇孫に稲穂をお授けになり、『大切に育て継承しなさい』
と、三大神勅を下されました。
天皇陛下所知めす皇國は、水穂の瑞々しい穂の國であり、稲穂を神鏡と同じく、天照大御神からの授かりとして大切にし、稲作を継承していけば、いつまでも豊かな稲穂の実りのある國なのです。
*畏くも、 天皇陛下は、皇居の神田で、稲種まき、お田植え、御収穫をされています。 誠に神勅の隨々(まにまに)です。 天皇陛下のお田植えは誠に尊いお姿です・・・皇尊 彌榮 々々 々々!
豊受大御神は、天照大御神へ御神饌(御饌・みけ)をたてまつる御饌都神(みけつかみ=食物の神)さんです。外宮さんの御饌殿では、朝夕二回『日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうのおおみけさい)』にて、天照大御神はじめ、神宮の神さんへ大御饌をたてまつります。 御饌の主役は勿論お米です。稲穂です。 そして、豊受大御神(地元では外宮さん、豊受さん)は、稲作をはじめとして、衣食住の産業の神様で、私達の生活にとても親しみのある神さんです。
お伊勢さん(皇大神宮、豊受大神宮)のお祭りは、殆どが稲作と関係し、稲作の時期に合わせて行われます。
##伊勢神宮HPの 神宮のお祭りと行事 から抜粋させていただき、稲作現場と関連させて書き直してみました。昔の田植えと稲刈り、収穫、脱穀に合わせて大祭がなされています。
*昔は、6月(今は5月上旬)に田植えが行れたようです。それから見ると風雨の神さんの祭、大御神へ特別な神饌(みけ)を供える祭が前後してあるのも興味深いですね。(ちなみに風日祈宮さんは、元寇阻止の宮さんとして別宮に昇格しました)。
*昔は、10月〜11月(今は8月中頃)くらいが稲刈り収穫だったようですので、その前後に大祭が集中してますね。
2月17日〜2月23日 祈年祭(としごいのまつり) 五穀豊穣祈願祭 旧正月後の田作りの前の祭
4月上旬 神田下種祭(しんでんげしゅさい) 稲種を神田にはじめて下し奉る祭 稲の籾種まき無事早苗が育つように。
5月14日 風日祈祭(かざひのみさい) 風日祈宮(風の神様)に風雨の恵み、五穀豊穣のお祭り。
6月15日〜6月25日 月次祭(つきなみさい) 由貴の大御饌(ゆきのおおみけ)を奉り、五穀豊穣、治國平安の祭。田植えが終るあたり。
8月4日 風日祈祭 風の神へ御幣を奉り、風雨の恵み、五穀の豊穣をお祈りします。
9月上旬 抜穂祭(ぬいぼさい) 神田にて神嘗祭に奉るご料米の御稲穂(おんいなほ)を抜きまつるお祭り(神宮神田)。
10月15日〜10月25日 神嘗祭(かんなめさい) その年の新穀を大御神に奉り、ご神徳に報謝申し上げるもっとも由緒深いお祭り。
11月23日から 11月29日まで 新嘗祭 (にいなめさい) 新穀を天皇陛下御自ら神々に奉られ、また御自らもお召しあがりになる大儀が宮中で行われるに際して、神宮へは勅使を御差遣(ごさけん)されて、奉幣の儀が行われます。また、それに先だって神饌を奉り大御饌の儀を行います。 *新米は陛下が食しめし(きこしめし)いただいた後、臣民はいただきます。
12月15日〜12月25日まで 月次祭 由貴の大御饌(ゆきのおおみけ)を奉り、五穀豊穣、治國平安の祭。
毎日 日別朝夕大御饌祭 (ひごとあさゆうの おおみけさい) 年中、毎日朝夕の2度、外宮の御饌殿で、両正宮、同相殿神(どうあいどののかみ)および各別宮諸神にお供えものを奉ります。
以上のように神さんからお授かりした稲の祭を奉り、神宮神田で稲作を行い、御神田で収穫されたお米を神饌として奉ってます
神宮のお米は、神宮神田で、籾種蒔きから田植え、そして稲刈りまで大切に育てられて、神嘗祭(かんなめさい)に初穂を供え、天照大御神に新米を奉りお召し上がりいただきます。
つぎに新嘗祭(にいなめさい)です。 天皇陛下御自ら新穀を神々に奉り自らもお召しになられ、神宮へ勅使を使わされて神宮では奉幣の儀が行われます。
天皇陛下が新嘗祭で新米をお召し上がりになられてから、私たち皇民(臣民)は、ありがたくいただきます。 つまり、神さん→天皇陛下→皇民の順序で新米をいただくのが、神國日本の伝統です。
天皇陛下 所知(しろし)めす。わが神國日本、豊葦原瑞穂國、豊葦原之千秋長五百秋之水穂國において、神嘗祭の十月十七日、新嘗祭の十一月二十三日は御國をあげての大祭日です。そして、大嘗祭(おほにへのまつり)は、天皇陛下が御即位の年に初めて行う新嘗祭です。御一代一度限りの新嘗祭です
神宮神田で平成の御代(平成元年秋)に新たな御神米がお生まれになりました。 台風直後の朝、御神田のなかで、たった2本だけ御柱のように太く御稜威のある稲がたっていました。イセヒカリさんです。
天照大御神より御皇孫のしらしめす稲穂の國にお授けいただいたイセヒカリは、反あたり十表以上の収穫で美味しくて、台風にも倒れず虫や病気にも強い、良い事づくめの稲穂の命さんです。
イセヒカリさんは、ゆっくり育つ稲のようです。いいかえれば昔の稲作サイクル、伊勢神宮(のみならず日本各地)の田んぼの神祭にあわせているかのようです。
今の米作りは五月の連休に田植え、御盆の連休に刈り入れます。これは、殆どが兼業農家のためと、台風がくる前に収穫しようとするため、そして流通販売のためです。 そのため日本の神社の田祭の時期(本来の稲の育ち)と今の稲作サイクルがずれてしまって、実感がわかなくなってきています。なんのための祭か忘れてしまっている感じがあります。私の村でも村社の神祭(田祭)は6月1日(旧田植え前)と12月1日(新嘗祭と旧収穫後)で現代の稲作時期とずれています。
つまり、人間の都合で稲作直を早め縮めているわけです。さらに、化学肥料と農薬を使い続けています。日本人の伝統的な思いでは、古事記や書記にでてくるように、田んぼも、土も水も稲も神さんです。神さんに対して(*日本的な意味での)神の子として誠に申し訳ない事をしているようです。
(* 明治天皇陛下の御製「罪あらば吾をとがめよ天津神 民はわが身の生みし子なれば」にあるように天照大御神の御皇孫の皇民もありがたくも明津神の子です。田祭が行われる神社の氏子は、神の子です。)
私見ですが、イセヒカリの生(あれ)ましは、今一度、神祭と稲作、神さんと 天皇陛下へ感謝御礼してから籾種を撒き田植えをし、収穫したら天照大御神はじめ神さんたちと天皇陛下、ご先祖様へ奉り報恩感謝してからありがくいただく。この当たり前の神事を当たり前に、全皇民が、やりなさいと天照大御神、豊受大御神さんからの御神託のような気がいたします。
街暮らしの方は、日本の神さんと 天皇陛下へ感謝御礼の神奉りをしながら、バケツ稲やプランターの陸稲、室内、屋上庭園などを育てて収穫し、天照大御神はじめ八百万の神々、天皇陛下、ご先祖様へ、報恩感謝の気持ちでいただくのはいかがでしょうか。稲穂の神國日本が感じられると思います。
天皇(すめらみこと) 彌榮(いやさか) 彌榮(いやさか) 彌榮(いやさか)
1 件のコメント:
陛下の稲を植えるお姿、皇后陛下の繭をご覧になる眼差しがとても好きです。
稲も繭も私たちが生きるのに欠かせないもの。その命をつなぐことは、私たちの命をつなぐことなのだと、最近実感するようになりました。
イセヒカリの収穫が楽しみですね!
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