2011年5月31日火曜日

開拓者と友達

日本の暦の中の人たちが最近始めた家庭菜園。
初めての経験で知らないことばかりですが、試行錯誤しながら楽しんでいます。
大豆、プチトマト、米など、いろいろな作物の栽培を始めました。農家ではありませんし、都会に住む人が多いので、作物を栽培する土地は限られます。なので、狭い土地をできるだけ有効に活用して、いろいろなものを栽培したいと思います。
また、自分の口に入れるものですから、なるべく農薬や化学肥料などの化学物質の使用を控えたいとも思います。

表題の開拓者と友達。
開拓者はパイオニアプランツ。友達はコンパニオンプランツです。パーマカルチャーの用語です。

パイオニアプランツは、植物が生えていない裸地に最初に定着する植物で、土中の窒素を固定したり、硬い土をほぐしたり、土中の塩分濃度を薄めるなど、後から生える植物にとって好ましい環境に変える役割を果たす開拓者です。
日本では古くから水田の脇にハンノキを植え、共生する菌によって土中に窒素を固定させながら、刈り取った稲を干して乾燥させて利用していました。
家庭菜園であれば、マメ科のクロタラリア(コブトリソウ)がおすすめ。窒素を土の中に固定する働きがあり、鋤き込めば緑肥になり、センチュウを抑制する効果もあります。
水田で昔から利用されてきたレンゲソウもパイオニアプランツと考えられます。土の中に窒素を固定する、鋤き込めば緑肥になる、休耕田の雑草防止なる、といった働きがあります。

コンパニオンプランツは、害虫防除などの目的で2種類以上の植物を組み合わせます。この組み合わせの植物同士をコンパニオンプランツを言います。


相性のよい作物などで構成された植物群をギルドと呼びます。
パーマカルチャーは、多種作物栽培による小規模集約システムです。
ギルドによって多様性と生物資源の活用が促進されます。
このコンパニオンプランツの組み合わせに注目して、種蒔きの時期と収穫の時期に合わせて、年に何種類かのギルドを作っていきます。


左の写真は大豆とコンパニオンプランツのプチトマト(小さい葉っぱ)





次の表はコンパニオンプランツの組み合わせです。


調べたい植物 相性のいい植物
ユリ科 アスパラガス、ネギ、ニンニク、アロエなど
ナス科 トマト、ピーマン、ナス、ジャガイモ、トウガラシなど
ウリ科 カボチャ、メロン、スイカ、キュウリなど
アブラナ科 ハクサイ、カブ、ダイコン、ワサビ、カラシナ、キャベツ、ケールなど
ナス科 トマト、ピーマン、ナス、ジャガイモ、トウガラシなど
ユリ科 アスパラガス、ネギ、ニンニク、アロエなど
マメ科 インゲン、ダイズ、アズキ、ソラマメ、ササゲ、エンドウなど
シソ科 エゴマ、セージ、タイム、ハッカ、ラベンダー、ミント、バジル、サルビアなど
マメ科 インゲン、ダイズ、アズキ、ソラマメ、ササゲ、エンドウなど
ナス科 トマト、ピーマン、ナス、ジャガイモ、トウガラシなど
イネ科 稲、アワ、ヒエ、コムギ、トウモロコシ、タケなど
セリ科 ニンジン、パセリ、フェンネル、セロリ、ミグバ、ウドなど
アブラナ科 ハクサイ、カブ、ダイコン、ワサビ、カラシナ、キャベツ、ケールなど
ユリ科 アスパラガス、ネギ、ニンニク、アロエなど
シソ科 エゴマ、セージ、タイム、ハッカ、ラベンダー、ミント、バジル、サルビアなど
セリ科 ニンジン、パセリ、フェンネル、セロリ、ミグバ、ウドなど
キク科 ヒマワリ、ゴボウ、マリーゴールド、レタス、タンジー、シュンギクなど
シソ科 エゴマ、セージ、タイム、ハッカ、ラベンダー、ミント、バジル、サルビアなど
アブラナ科 ハクサイ、カブ、ダイコン、ワサビ、カラシナ、キャベツ、ケールなど
ナス科 トマト、ピーマン、ナス、ジャガイモ、トウガラシなど
イネ科 稲、アワ、ヒエ、コムギ、トウモロコシ、タケなど
マメ科 インゲン、ダイズ、アズキ、ソラマメ、ササゲ、エンドウなど
ウリ科 カボチャ、メロン、スイカ、キュウリなど
セリ科 ニンジン、パセリ、フェンネル、セロリ、ミグバ、ウドなど
アブラナ科 ハクサイ、カブ、ダイコン、ワサビ、カラシナ、キャベツ、ケールなど
マメ科 インゲン、ダイズ、アズキ、ソラマメ、ササゲ、エンドウなど
バラ科 イチゴ、ウメ、モモ、ナシ、リンゴ、ラズベリーなど
バラ科 イチゴ、ウメ、モモ、ナシ、リンゴ、ラズベリーなど
セリ科 ニンジン、パセリ、フェンネル、セロリ、ミグバ、ウドなど
キク科 ヒマワリ、ゴボウ、マリーゴールド、レタス、タンジー、シュンギクなど
ウリ科 カボチャ、メロン、スイカ、キュウリなど
ユリ科 アスパラガス、ネギ、ニンニク、アロエなど
イネ科 稲、アワ、ヒエ、コムギ、トウモロコシ、タケなど
キク科 ヒマワリ、ゴボウ、マリーゴールド、レタス、タンジー、シュンギクなど
キク科 ヒマワリ、ゴボウ、マリーゴールド、レタス、タンジー、シュンギクなど
バラ科 イチゴ、ウメ、モモ、ナシ、リンゴ、ラズベリーなど
アブラナ科 ハクサイ、カブ、ダイコン、ワサビ、カラシナ、キャベツ、ケールなど
ウリ科 カボチャ、メロン、スイカ、キュウリなど


段ボールでコンポストを作って、今までは生ゴミとして捨てていた野菜の切れ端を肥料化する、発酵熱で水を温めてそれを利用して苗を温める、米のとぎ汁から乳酸菌を作って菜園で利用する、雨水や井戸水を炭などを使って浄水して菜園で使う。
何か一つ始めると、それをきっかけにいろいろなことがやりたくなります。アイデアも湧いてきます。
中にはもっと広い畑が欲しいと言い出す人もいます。
市民の農民化でしょうか?

何度かこのブログでも触れていますが、作物が作られてから食卓に食品として並ぶまでに、長い距離、多くの人手、多くの資源が費やされています。
最初から最後まで自分の手で育てられる家庭菜園の作物。
これ以上安全で無駄のないものはありませんね。

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