2010年11月25日木曜日

お箸のこころ

箸の語源

大和言葉の「は」 物の両端、物と物との境目
大和言葉の「し」 物をつなぎ止める、固定する、固着する、静止するなどの意

この二つの言葉を組み合わせた「はし」ということばは、向こうとこちらの二つの世界をつなぐ橋渡しの役目を持つ道具につけられたものだそうです。
例えば、端と端をつなぐ「橋」、高いところと地上をつなげる「はしご」。
そして、「お箸」もつなぐものです。一方の口に運ぶ先は人のもの、もう片方の端は神様のものとして考えられていました。食事の時にはお箸に神様が宿ると考えられていたそうです。

また、お供え物をするときにも「竹」が神様と人=もの(者)とをつなぐ役目をしたことから
その道具が「箸」と呼ばれるようになったといわれています。使うことで神様に感謝を捧げる、人と神様を結ぶ「橋渡し」の道具だったのでした。 

日本人の食事といえば、お箸を使うという行為があります。
正しいお箸の持ち方や、不作法とされる使い方など行儀や作法にも気を付けたいですが
お箸というものは器から口へ食べ物を運ぶための単なる道具ではないのですね。
まず、このお箸の由来、ご先祖様の発想、その心がとても素晴らしいと感じました。

昔の人は、どこへ行くにも自分の箸を持っていき、食事が終われば箸を手拭いでふいて箸入れにしまっていたそうです。今でいうところのマイ箸みたいですが、そればかりではなく死んだ時はお棺の中に箸を一緒に入れたりもしたそうです。

プラスチック製のお箸や使い捨ての割り箸などではなく、美しいお箸を持って大切に使いたくなりますね。長い長い年月、受け継がれてきたお箸のこころを知れば、自然とお箸の行儀や作法を敬う気持ちも湧いてくるのではないかと思います。

4 件のコメント:

love2nippon@gmail.com さんのコメント...

いい話ですね!
自分用のいい箸が欲しくなりました。

koe さんのコメント...

愛着を持って使いたくなりますよね。
小泉さんは箸がすたれてしまったのは、使い捨ての箸を使うせいではないかと言っています。単なるゴミの予備軍に愛着が湧くわけがない、と。お弁当などの出来あいで済ますと必ず割り箸が付いてきますよね。そういう時も自前のお箸を使うようにしようかなぁと思いました。

kazz12211@gmail.com さんのコメント...

> 単なるゴミの予備軍に愛着が湧くわけがない

確かにそうですね。
外食すると、ほとんどが割り箸ですよね。あれも経済合理性とやらでしょうか?

koe さんのコメント...

割り箸にも正しい割り方があるそうですが・・・

これだけ外食の機会が増えると、一度使ったきりでゴミになるというのは「もったいない」の一言に尽きますね。
提供する側にとっては、まず衛生面で合理的なのかもしれませんが、近頃は環境やコスト面ではどうなんでしょうね。