お箸のこころは、八百万の神様の存在や、ご先祖様、伝統などの日本人としての縦軸のつながりを感じさせてくれます。そして横軸のつながりを意識したら、周囲の人に不快な思いをさせないように、あるいはその共同体の中で受け入れられるべき作法を身につけようと思うのかもしれません。
ナイフとフォークが使えない西洋人がいたら、さぞかし奇異なことだろう。当人だって恥ずかしいだろうし、周囲から見たら「どんな育ち方をしたのだろう」と思うに違いない。箸の使えない日本人だって同じことである。
(中略)
たった二本の小さな木の枝のようなものだが、ここからさまざまな食文化が発展していくのだ。箸は食の入り口を司る大切な存在であるのだから、そこを粗末にすると心身の入り口からもう堕落してしまう。
お箸の正しい使い方は、単に堅苦しい決まりごととして一方的に決められたものではなく、その伝統の中でいちばん合理的にかつ美しく使う「型」として生み出されてきたものだと思います。意味も分からず厳しく躾けられる間は辛く感じることもあるかもしれませんが、ゼロから自分で使い方や意味を発見していくよりもずっと手っ取り早く、また確実にその道に通じている「型」なのだと、おそらく後になって分かって来るものなのでしょう。
以下 不作法とされるお箸の使い方について調べてみました。
- 刺し箸 箸を食べ物に突き刺して食べること。
- 指し箸 箸で人を指差すこと。
- 二人箸 一つの食器の上で、二人一緒に同じ料理を挟むこと。
- 立て箸 ご飯の上に箸を突き刺すことは仏箸ともいわれ、死者の枕元に供える枕ご飯のときのみ許されます。
- ねぶり箸 箸についたものを口でなめること。
- こじ箸 食器に盛った料理を箸でかき回し、自分の好物を取り出すこと。
- 涙箸 箸の先から汁をぽたぽた落とすこと。
- 箸渡し 箸で挟みあげた料理を別の箸で取ったり、箸と箸とで料理のやり取りをすること。
- 渡し箸 食事の途中で箸を食器の上に渡して置くこと。これは「ご馳走様」の意味になる。
- かき箸 食器の縁に口をあてて料理をかき込むこと。
- 叩き箸 食器や食卓を箸で叩いたり、お箸どうしで太鼓のように音をたてること。
- 探り箸 汁物など食器の中でかき混ぜて中身を探ること。
- 迷い箸 どの料理にしようかと迷って料理の上であちこちと箸を動かすこと。
- 寄せ箸 食器を箸で手前に引き寄せること。
- 受け箸 箸を持ったままおかわりすること。
- 持ち箸 箸を持った手で同時に他の食器を持つこと。
- 振り箸 箸先に着いた食べ物を振り落とすこと。
- 空箸 箸を一度料理につけておきながら、食べないで箸を置いてしまうこと。
- くわえ箸 箸を置かず、お箸から手を離して口にくわえたままにすること。
- 移り箸 あれこれとおかずばかり続けて食べること。
- 込み箸 口に入れた食べ物をさらに箸で口の奥へ押し込むこと。
2 件のコメント:
実はあまり箸の使い方は上手くないんです。意識しないと直せない癖があったりして。
箸のマナーみたいなのは、子供の頃によく祖母に指摘されたので大丈夫かもしれませんが、自分が気づいてないだけかもしれません。
ここに書かれていることを知って、周りの人にも伝えられたらいいと思いました。
ここに書いた以外にもまだ不作法とされる使い方は沢山あるようです。あまり細かいことを言い出すと食事がおいしくなくなりそうな気もしますが、だからこそ子どもの頃に身につける事が大切なのかもしれませんね。素敵なお祖母様だったのでしょうね(*^^*)
いろいろ見てみたら、幼児用のいかにもというのではなく、大人用の矯正箸というのもあるようです。家での食事で時々使ってみようかなぁと思いました。
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