2011年7月25日月曜日

占領統治の実際

サンフランシスコ講和条約の発効に至るまでの非独立の占領時代には、連合軍の軍事的支配の下、我が国の政治、法制、経済、教育及び文化などのすべての事象において大きな変革が強要された。

GHQ/SCAP(以下、GHQ)の軍事占領下で最も大きな強制的変革は、帝国憲法を全面改正したとされる日本国憲法という名の「占領憲法」の制定である。
占領統治下においては、占領政策に迎合する「御用民主勢力」以外の意見は完全に黙殺され、出版物、手紙その他の文章を検閲し、占領政策の妨げとなる一切の言論を禁止し、GHQの占領政策を批判する記事は発行禁止処分の制裁を受けるなど、臣民(国民)の政治的意思形成に必要な情報を一切提供させないようにする『日本プレスコード指令』による強力な言論・報道統制が断行された。

『日本プレスコード指令』とは、GHQ司令官であるマッカーサーが発令してもので、『言論及び新聞の自由に関する覚え書き』、『日本に与えうる新聞準則』などによる一連の言論、新聞、報道の規制と検閲制度全体を指す。これらによる削除、発行禁止処分の対象となる項目は、①SCAPに対するいかなる一般的批判、及びSCAP指揮下のいかなる部署に対する批判、②極東軍事裁判批判、③SCAPが憲法を起草したことに対する批判、④検閲制度への言及、⑤合衆国、ロシア、英国、朝鮮人、中国、田の連合国に対する批判、など三十項目に及んでいた。

言論・報道の統制が行われているかたわら、戦争犯罪人であるとか、軍国主義者であるとの一方的な理由で多くの官僚、代議士などの政治家が公職追放された。衆議院議員四百六十六名のうち、八割以上に該当する三百八十一名が追放されたとされている。

これらの対日検閲計画は、大東亜戦争開戦の翌日に、J・エドワード・フーヴァーFBI長官が検閲局長官臨時代理に任命されたときから用意周到に準備されてきたもので、第二次近衛内閣の「挙国的世論の形成」を図る目的で作られた情報局などのような戦時体制下における情報統制よりも遥かに厳しいものであった。

そのため、憲法改正案を審議した第九十回帝国議会を構成する議員を選出した総選挙においても、改正案の全文は選挙前には公表されず、改正案全文が発表されたのは選挙から十日後であった。この憲法改正案は、公職追放の危険による萎縮効果もあって、選挙での争点には全くならなかった。
これらの措置は、占領下で制定された占領憲法の「法の下の平等」、「表現の自由」、「検閲の禁止」などに明らかに抵触するものであり、帝国憲法の「言論・著作・印行・集会・結社の自由」にも違反する違憲措置であって、現行の公職選挙法の規定によれば、選挙自体が無効であることは明白である。

公職追放の他にも「魔女狩り」にも似た「公開リンチ」の極め付きとしての極東国際軍事裁判がさらに萎縮効果は大きくした。
極東国際軍事裁判では東条英機元首相ら二十八名が共同謀議によって侵略戦争を指導したとして起訴され、二十五名に有罪判決が下され、マニラやその他の東亜・太平洋地域において、適正な手続きや法的根拠に基づかずに「裁判」という名前のリンチによって、総勢九百九十四人が処刑されている。

このような事実を、日本のマスメディアは、批判するどころか、発売禁止処分を恐れて言論統制や検閲に何ら抵抗することなく、ジャーナリストの良心と魂を売り飛ばして御用新聞・御用放送に成り果て、連合軍の行う一連の措置が正当であるかのような大衆世論操作に加担した。

その言論統制と検閲を担ったのが、マスメディア各社で設立された「財団法人日本新聞協会」である。これは現在も存続しており、表向きは「民主主義的新聞社」の団体であると言いながら、GHQの検閲とプレスコードを受容して命を永らえた集団である。NHKや民法などのテレビ各社も加入し、「新聞倫理綱領」なるものを定めて、「民主主義」の旗手のように偽装しているが、同社団に所属しない中小メディアを閉め出した「記者クラブ」というギルド性によって特権を固守し、GHQなき後も、忠実にその指導方針(東京裁判史観)を堅持している。
この財団法人日本新聞協会に所属するマスメディアは、占領当初から与えられた敗戦利得者としての利権を固守し、連合軍の占領政策を支持することによって真の自由と民主主義が生まれるとの「世論」を形成させ、衆愚政治における「大衆の喝采」を得ることに成功した。
こうして民主主義の基本であるべき正しい政治的情報を知る権利が全く与えられない愚民政治が出現したのである。

本来ならナチス・ドイツによるユダヤ人やジプシー等の大量殺戮に勝るとも劣らない広島及び長崎の原爆投下による無差別大量殺戮(ホロコースト)が非難されるべきであり、今日でもその意義は風化していないが、「日本がいつまでも降伏せずに戦争を続けたために落とされたのであり、早く降伏して戦争をやめていれば落とされずに済んだのであるから、原爆投下の責任は日本にある」という占領軍の流したデマのような洗脳から解かれていない有様である。このことだけを見ても、占領政策による言論と報道の統制は非常に効果的に行われたと考えるべきである。


参考文献:國體護持総論<普及版シリーズ第二巻>「かへるうぶすな」南出喜久治著

注)参考文献より一部を抜粋、要約して投稿しています。原文は本著を御一読ください。

2011年7月21日木曜日

古事記などを電子ブックで・・・

ご要望があったので『日本の「典」と「憲」』の中から一部を電子ブックにしました。

画面のイメージはiPhoneでライブラリの一覧を表示した様子です。

今回作成したのは、「天津神の御神敕」、「天照大神の三大御神敕」、「神武天皇の御詔敕」、「推古天皇の御詔敕」、「船中八策」、「古事記」、「憲法十七條」、「五箇條の御誓文」、「軍人勅諭」、「大日本帝國憲法」、「日本国憲法」などです。


通勤電車の中で読むのに便利かなと思います。
古事記などは読み下し文になっているので読み易くなっていると思います。

ダウンロード
タイトルファイルサイズ
天津神の御神敕 2.47KB
天照大神の三大御神敕 3.06KB
神武天皇の御詔敕 2.30KB
推古天皇の御詔敕 2.65KB
十七條憲法 4.58KB
船中八策 2.54KB
五箇條の御誓文 3.66KB
古事記 147.41KB
軍人勅諭 13.83KB
大日本帝國憲法 7.39KB
日本国憲法 43.1KB

2011年7月15日金曜日

イランから招待された海上自衛隊 ~ ペルシャ湾の掃海部隊

JJ太郎さんの「かつて日本は美しかった」からの転載です。
http://ameblo.jp/jjtaro/entry-10947657154.html

イランから招待された海上自衛隊

 平成2年(1990年)の湾岸戦争後、日本海上自衛隊は掃海部隊を派遣し、残された機雷を処理しています。自衛隊員たちは過酷な環境下で危険な作業を行いました。ペルシャ湾は日本では経験できない40度の高温であり、晴天で太陽が真上に来るころには50度になります。イラクは油田に火をつけましたから、その煤煙もひどいもので、鼻を突く悪臭とともに黒い雨が降ってきました。また、陸地に近いところではたちの悪い蚊やハエが大挙して船を襲ってきて、噛まれると半月は傷が直らなかったといいます。
 掃海部隊はMDA-7と呼ばれる海域で掃海を行いましたが、ヨーロッパ勢は平成3年7月終わりごろに引き揚げてしまいました。日本はアメリカと共同で引き続き過酷な環境下でMDA-10と呼ばれる海域を掃海することになります。この海域にはイランの海域が含まれており、外交上難しいものがありました。イランとアメリカは国交が正常化されていません。また、この海域にはイタリア製の沈底式感応機雷「マンタ」があり、これがやっかいでした。
日本は外交努力をしてイランと交渉し、イランの士官2名を連絡士官として掃海母艦「はやせ」に乗せることで同意を取り付けることに成功しました。「はやせ」にはアメリカの連絡士官が乗っていましたから、「はやせ」上にアメリカとイランという敵国同士の軍人が顔をあわせることになったのです。これは随分と懸念されましたが、アメリカの連絡士官ストーフ大尉があっけらかんとした態度で積極的にイラン士官と軟らかく会話したおかげで何事もなく無事に事が進みました。

 そしてイランは日本掃海部隊をバンダル・アッバーズ港へ寄港要請してくれたのです。
「イラン国民とイラン海軍は、日本海軍掃海部隊のイラン訪問を国を挙げて歓迎する」


ホルムズ海峡ではイラン海軍がエスコートの艦を派遣し、港に近づくともう1隻が加わるという厚遇ぶりでした。8月22日には大勢のイラン海軍関係者、イラン日本大使館公使、在留日本人会代表、駐在武官、バーレーンの防衛庁部員に迎えられました。

イランでは海軍の各施設見学や交歓会が行われ、古都シラーズの史跡観光が実施されました。シラーズで飛行機から降りた掃海隊員は
赤い絨毯が敷かれ州知事が出迎えるという国賓並の待遇でした。イラン人は日本人にかなり好意を持っていました。日本で昭和58年(1983年)に「おしん」というテレビドラマがヒットしましたが、これがイランで大人気となり、上陸した隊員たちが街を歩いていると「おしん」「おしん」と指差さされました。また、イラン・イラク戦争のときイランはペルシャ湾を航行する外国船舶に攻撃を仕掛けましたが、日本の船には攻撃しなかったといいます。
 イランの教科書に日本について次のように書かれているといいます。「日本は大国ロシアと戦い、東郷元帥の率いる日本艦隊はロシアのバルチック艦隊を壊滅させた。また、第二次世界大戦では連合国に負けて焦土と化した国土を立派に復興させ、世界第二位の経済大国に発展させた。イランも日本人を見習い、国土の発展に尽くさなければならない」

イラン海軍への答礼パーティに出席したイラン人僧侶は次のように語りました。
「今回の日本海軍の招待は、イランはこれからも日本と協力し合って両国が発展することを望んでいる証であり、日本の発展に必要な石油、天然ガス、ウラン、ボーキサイトなどは日本が必要なだけイランから供給できる。ついては、イランの子供達が国家の発展に尽くすために必要な日本の技術を提供して頂きたく、ペルシャ湾での作業を終えて帰国されたら、一人でも多くの日本の皆さんにこのことを伝えて欲しいのです」

イランはイスラム原理主義の国です。イスラム原理主義の国は総じてアメリカなどキリスト教徒の国とは仲が悪い。日本はキリスト教徒の国ではなく、神道の国で、宗教に関しては寛大な国です。欧米などの白人国家には出来ない世界貢献が日本にはできるような気がします。この後に起こったイラク戦争でもアメリカに追随するのではなく、違うことが出来なかったか。パレスチナ問題の「平和と繁栄の回廊」のように日本がリードしてもっと何かできるかもしれません。



参考文献
光人社「ペルシャ湾の軍艦旗」碇義朗(著)
参考サイト
 
「湾岸の夜明け作戦」 落合畯 http://www.mod.go.jp/msdf/mf/touksyu/yoakenosakusen.pdf
 
「湾岸の夜明け」作戦に掃海部隊派遣(「海上自衛隊50年史」から抜粋) http://www.mod.go.jp/msdf/mf/touksyu/wanngann.pdf

2011年7月14日木曜日

お豆腐を塩で食べる

お豆腐好きの方へ








毎日が豆腐主義
大久保恵子 著





このブログの中の方々は大豆の収穫を心待ちにされてると思いますが・・・楽しみですね。
豆腐一丁に一体どのくらいの大豆が必要か皆さんご存知ですか?

お豆腐の8~9割は水分、残りの1~2割が大豆だそうです。

ところが!その1~2割の大豆といっても、手作りのお豆腐では
木綿で350~360粒 絹ごしで440~450粒もの大豆が必要なんだそうです。
ものすごい量ですよね。。ただし最近のその辺のスーパーで売っている大手製品では添加物や凝固剤をうまく使って、もっと薄い豆乳でも作れるようにしているんだそうです。

梅雨も明けて本格的に暑い季節がやってきました。
今日はこの本の中から、夏におススメのとてもさわやかな一品を作ってみました。


くずし豆腐のごまあえ

<材料>
木綿豆腐          1/2丁
きゅうり           2本
茗荷             2個
いり胡麻           大さじ2
レモン汁           大さじ2
塩こしょう          適量
   
冷蔵庫で冷やしておいて食べるとさらに美味しいです。
でもどうしても汁気が出てくるので、食べる直前に和えるといい塩梅です。

私はレモンの代わりに酢橘を使います。こしょうは敢えて使いません。これで少し洋風寄りの味が和になって?きます(笑)
酢橘の胸をすく香りと胡麻のこってりした風味、きゅうりのシャキシャキ感と茗荷の清涼感が気持ちよく、昼間に体にこもった熱を取ってくれるような気がします。
普通白和えはお味噌や砂糖を使いますが、これは塩だけ。これがまたとてもさっぱりしていて本当に夏に合うな~という感じです。できるだけ自然に近い塩を使ってみてください。優しい塩気とうまみに感動すること請け合いです。

この本には大豆2カップからにがりを使って手作りでお豆腐を作るレシピも載っていますし、水きりの方法もいろいろ載っていて、基本的なことを知らなくても豆腐料理を楽しめます。それに、どれを作ってみても美味しい!!冷奴、温奴、汁物、保存漬け、デザート、堂々たるメインディッシュになるおかずレシピetc、ほんとうにたくさんのバリエーションでお豆腐が楽しめます。

ついでにもう一品











トマト塩

こちらは塩味の冷奴です。
おいしいお豆腐とおいしいお塩の出会いの味だそうです。すごく簡単だし、一見それほど変わり映えしなさそうだけど・・・本っ当に美味しいですよ~~

<材料>
絹ごし豆腐         1丁
フルーツトマト       小8個(200g)
粗塩            適量

トマトは熱湯で皮むきをします。面倒ならば皮むきをしなくてもいいですが、した方が絹ごしのつるっとした舌触りと統一感があっていい感じです。塩が豆腐とトマトのうまみを引き出しますよ。でも後味のすっきりさが気持ちいいです。こちらもお豆腐とトマトの水気が出てこないうちに召し上がれ。

ちなみに私はどちらかというと木綿豆腐の方が好きです。冷奴も木綿派!!
皆さんも美味しいお豆腐料理を楽しんでみてくださいね

2011年7月12日火曜日

文部省が編纂した『国体の本義』

『国体の本義』は昭和13年に当時の文部省が、一流の学者たちを集めて編纂した日本の国柄を書いた書物です。師範学校の必須科目に取り入れたために、これを学ばなければ教員にはなれなかったそうです。
教育に関心がある方は現在の教育指導要領などと比較して読むと面白いかもしれません。
日本の「典」や「憲」などに出てくる文や言葉が現れていので、資料室 - 日本の「典」と「憲」も合わせて読んでいただければ、さらに深く読めると思います。
この時すでに「個人主義の行き詰まり」を指摘しているのが興味深いです。
この『国体の本義』は占領統治期には発行が禁止になった書物の一つ。そんなこともあって「個人主義の行き詰まったまま」今に至るのではないでしょうか。
日本を保守するということは国体を護持することですから、ここに書かれていることは知っていた方がいいかもしれません。




『国体の本義』編纂の趣意

「国体の本義」

一、本書は国体を明徴にし、国民精神を涵養振作すべき刻下の急務に鑑みて編纂した。

一、我が国体は宏大深遠であつて、本書の叙述がよくその真義を尽くし得ないことを懼れる。

一、本書に於ける古事記、日本書紀の引用文は、主として古訓古事記、日本書紀通釈の訓に従ひ、又神々の御名は主として日本書紀によつた。



「国体の本義」緒言

我が国は、今や国運、頗る盛んに、海外発展のいきほひ著しく、前途、弥々多望な時に際会してゐる。
産業は隆盛に、国防は威力を加へ、生活は豊富となり、文化の発展は諸方面に著しいものがある。
夙に支那・印度に由来する東洋文化は、我が国に輸入せられて、惟神の国体に醇化せられ、更に明治・大正以来、欧米近代文化の輸入によつて諸種の文物は顕著な発達を遂げた。
文物・制度の整備せる、学術の一大進歩をなせる、思想・文化の多彩を極むる、万葉歌人をして今日にあらしめば、再び「御民(みたみ)吾(われ) 生ける験(しるし)あり 天地(あめつち)の栄ゆる時にあへらく念(おも)へば」と謳ふであらう。
明治維新の鴻業により、旧来の陋習を破り、封建的束縛を去つて、国民はよくその志を途げ、その分を竭くし、爾来七十年、以て今日の盛事を見るに至つた。

併しながら、この盛事は、静かにこれを省みるに、実に安穏平静のそれに非ずして、内に外に波瀾万丈、発展の前途に幾多の困難を蔵し、隆盛の内面に混乱をつつんでゐる。即ち国体の本義は、動もすれば透徹せず、学問・教育・政治・経済その他国民生活の各方面に幾多の欠陥を有し、伸びんとする力と混乱の因とは錯綜表裏し、燦然たる文化は内に薫蕕を併せつゝみ、こゝに種々の困難な問題を生じてゐる。
今や我が国は、一大躍進をなさんとするに際して、生彩と陰影、相共に現れた感がある。
併しながら、これ飽くまで発展の機であり、進歩の時である。
我等は、よく現下、内外の真相を把握し、拠つて進むべき道を明らかにすると共に、奮起して難局の打開に任じ、弥々国運の伸展に貢献するところがなければならぬ。


 現今、我が国の思想上・社会上の諸弊は、明治以降余りにも急激に多種多様な欧米の文物・制度・学術を輸入したために、動もすれば、本を忘れて末に趨り、厳正な批判を欠き、徹底した醇化をなし得なかつた結果である。
抑々我が国に輸入せられた西洋思想は、主として十八世紀以来の啓蒙思想であり、或はその延長としての思想である。
これらの思想の根柢をなす世界観・人生観は、歴史的考察を欠いた合理主義であり、実証主義であり、一面に於て個人に至高の価値を認め、個人の自由と平等とを主張すると共に、他面に於て国家や民族を超越した抽象的な世界性を尊重するものである。
従つて、そこには歴史的全体より孤立して、抽象化せられた個々独立の人間とその集合とが重視せられる。
かかる世界観・人生観を基とする政治学説・社会学説・道徳学説・教育学説等が、一方に於て、我が国の諸種の改革に貢献すると共に、他方に於(おい)て深く広くその影響を我が国本来の思想・文化に与へた。

我国の啓蒙運動に於ては、先づ仏蘭西啓蒙期の政治哲学たる自由民権思想を始め、英米の議会政治思想や実利主義・功利主義、独逸の国権思想等が輸入せられ、固陋な慣習や制度の改廃にその力を発揮した。
かかる運動は、文明開化の名の下に広く時代の風潮をなし、政治・経済・思想・風習等を動かし、所謂欧化主義時代を現出した。
然るに、これに対して伝統復帰の運動が起つた。
それは国粋保存の名によつて行はれたもので、澎湃たる西洋文化の輸入の潮流に抗した国民的自覚の現れであつた。
蓋し極端な欧化は、我が国の伝統を傷つけ、歴史の内面を流れる国民的精神を萎靡せしめる惧れがあつたからである。
かくて欧化主義と国粋保存主義との対立を来し、思想は昏迷に陥り、国民は、内、伝統に従ふべきか、外、新思想に就くべきかに悩んだ。
然るに、明治二十三年「教育ニ関スル勅語」の渙発せられるに至つて、国民は皇祖皇宗の肇国樹徳の聖業とその履践すべき大道とを覚り、ここに進むべき確たる方向を見出した。
然るに欧米文化輸入のいきほひの依然として盛んなために、この国体に基づく大道の明示せられたにも拘らず、未だ消化せられない西洋思想は、その後も依然として流行を極めた。
即ち西洋個人本位の思想は、更に新しい旗幟の下に実証主義及び自然主義として入り来り、それと前後して理想主義的思想・学説も迎へられ、又続いて民主主義・社会主義・無政府主義・共産主義等の侵入となり、最近に至つてはファッシズム等の輸入を見、遂に今日我等の当面する如き思想上・社会上の混乱を惹起し、国体に関する根本的自覚を喚起するに至つた。

抑々、社会主義・無政府主義・共産主義等の詭激なる思想は、究極に於ては、すべて西洋近代思想の根柢をなす個人主義に基づくものであつて、その発現の種々相たるに過ぎない。
個人主義を本とする欧米に於ても、共産主義に対しては、さすがにこれを容れ得ずして、今やその本来の個人主義を棄てんとして、全体主義・国民主義の勃興を見、ファッショ・ナチスの擡頭ともなつた。
即ち個人主義の行詰りは、欧米に於ても我が国に於ても、等しく思想上・社会上の混乱と転換との時期を将来してゐるといふことが出来る。
久しく個人主義の下にその社会・国家を発達せしめた欧米が、今日の行詰りを如何に打開するかの問題は暫く措き、我が国に関する限り、真に我が国独自の立場に還り、万古不易の国体を闡明し、一切の追随を排して、よく本来の姿を現前せしめ、而も固陋を棄てて、益々欧米文化の摂取・醇化に努め、本を立てて末を生かし、聡明にして宏量なる新日本を建設すべきである。

即ち、今日、我が国民の思想の相剋、生活の動揺、文化の混乱は、我等国民がよく西洋思想の本質を徹見すると共に、真に我が国体の本義を体得することによつてのみ解決せられる。
而してこのことは、独り我が国のためのみならず、今や個人主義の行詰りに於て、その打開に苦しむ世界人類のためでなければならぬ。
ここに我等の重大なる世界史的使命がある。
乃ち「国体の本義」を編纂して、肇国の由来を詳にし、その大精神を闡明すると共に、国体の国史に顕現する姿を明示し、進んでこれを今の世に説き及ぼし、以て国民の自覚と努力とを促す所以である。



全文はこちらです
http://www.j-texts.com/showa/kokutaiah.html

2011年7月11日月曜日

たねの森

地震や津波などの天災、気候変動による飢饉、戦争による必要物資の欠乏、原子力発電所の事故などによる食料の喪失、海外からの遺伝子組み換え作物の侵入。
人が生きるために、絶対になくてはならない食料。
その食料に対する危機感を持っている人は多いと思います。
関連した楽しそうな催しがありますので以下に転載します。


たねの交換会を始めましょう!


たねの森では2010年より、全国の皆さまに種の交換会を呼びかけ、応援しています。種の交換会を通じて、自家採種の輪が広がり、多様性が育まれ、その土地ならではの食文化が発展していくこと、そして次の世代に持続可能で豊かな暮らしを引き継いでいくことを目指します。


1人で30種類の種を採種することは大変ですが、30人が1種類ずつ採種し、持ち寄って交換することはさほど難しいことではありません。


種の交換会を企画して、自家採種の輪を広げると共に、近隣の方々との交流を深めたい!と思う方、ぜひ手を挙げて下さい。規模の大小、プロ・アマは問いません。


たねの森では、交換会の会場近くにお住まいのお客様への案内、ホームページやメールニュースへの掲載を通じて、交換会を応援していきたいと考えています。ご自慢の種を持ち寄って、種談義に、菜園談義に、花を咲かせませんか?

詳細はこちら。
http://www.geocities.jp/tanenomori1/Exchange_Seeds/exchange_seeds.html

2011年7月6日水曜日

玄米食のススメ

玄米あんまり食べたことなかったのですが、放射能対策にもなるということを聞いて少し前に購入して時々頂いてます。
玄米茶が好きなので割と抵抗なくいけると思っていたのですが、やっぱり美味しいですね、玄米。

ところで、大分前に玄米食は実は体に悪いという健康番組がやっていたそうです。
どういうことでしょうか。

番組によれば、その原因はカドミウム。
イタイイタイ病などの原因成分で知られていますね。

日本は火山国なので土は酸性でカドミウムがより土に吸収されやすい環境なんだそうです。
玄米はご存知の通り、白米に白米に精製する前の米。玄米から白米をに精製するときに最も栄養分が多い部分がなくなってしまうので、白米よりもミネラルに富んでいると言われています。
その表皮、油の層にカドミウムがたまりやすいということですね。

普通は人体に影響のある量ではありませんが、日常生活で、水分をあまり取らず、汗もかかない人は体外にカドミウムが排出されずらいので、蓄積されやすいのだとか。

これを受けてかどうかはわかりませんが、2008年に食品安全委員会は、食品を通じて一生涯摂取し続けても健康に悪影響が生じないカドミウムの摂取量7μg/kg体重/週とする評価結果を厚生労働省に答申。これを受けて厚生労働省が、米に含まれるカドミウム濃度の国内基準値を1.0mg/kgから、0.4mg/kgに引き下げることを検討しており、2010年度中にはカドミウム濃度の規制値が改正されると言われていました。これに合わせて農家もカドミウム対策に随分苦心していたようですね。農水省のホームページ確認したところ、震災のせいか対策は遅れているようです。

また、玄米食には「でんぷん層にフィチン酸があるので体に良くない」という説もあります。
確かにフィチン酸はミネラルと強く結び付く性質があるため、実験動物に与えると体内の必須ミネラルを奪って弱ってしまうそうですが、実はフィチン酸は化学処理で作られた人工物で、玄米にある天然物のフィチンとは全く別物。しかもフィチンには動物の生殖器官に存在する特別な物質であり、欠乏すると子孫を残せなくなる可能性もあるとか。
玄米に全く問題がないわけではなく、食害を防ぐために表皮に防御用の物質を忍ばせている可能性もあるし、表皮と胚芽の一部は削った方がいいという話もありますが、なんだか、玄米危険視しすぎてる人多くありませんでしょうか?

日本の玄米だけでなく、欧米でも全粒粉は健康に良いとされています。
日本ではパンも全粒粉のものは少ないですね。ヨーロッパでは当たり前のように食べられています。食生活の欧米化が問題といいながら、そして江戸、明治の歴史がはっきりと教えてくれているにも関わらず、肝心の穀類の全粒粉の認識は、欧米よりもはるかに日本の方がいまだに劣るのです。
米国ですら、 食事指針で全粒粉の大切さをはっきり打ち出してるというのにです。

負けないよう、玄米食定着させていきたいものですね。

参考図書
農文協:現代農業 平成21年12月号
農文協:現代農業 平成22年1月号
参考サイト
http://www.nagamine-corp.co.jp/c5-85.html

2011年7月5日火曜日

レポート―非電化工房見学会―

6月25日土曜日に那須にて非電化工房見学会に行ってきました。


まず出迎えてくれたのは土の日時計。
入口にはスナフキンが。代表の藤村さんが好きなんですって。



大きな池!!
非電化にしてこんな可愛い生活ができるなら素敵ですよねーなんて言いながら、入りました。

以下非電化工房の商品たちです。

非電化冷蔵庫。
「放射冷却」を利用して水を冷やす冷蔵庫。冷やした水を保冷剤にして低温を維持するそうです。
簡易型なら主婦でも作れるそうですよ。
モンゴルの遊牧民に羊二頭分で売るというビジネスモデルを提案したそうで、現地で手に入るもので作るという思想が素晴らしかったです。

非電化グリーンハウス。
かわいらしい温室です。
二重窓になっていて、もみ殻を断熱材にしていて保温効率が良い。
中でお茶もできるスペースを作っておくと素敵ですね。

非電化ストローベイルハウス
稲藁のブロックで断熱効果抜群!!
こちらも屋根にもみ殻を使用。室外が乾燥している時だけ開く非電化換気孔で空気の入れ替えもばっちりです。


室内はこんな感じ。

非電化もみ殻ハウス。
非電化換気孔を使用した、やっぱりもみ殻を断熱材にした小屋。
可愛い作りですが、先日の震度6にも耐えた素晴らしい構造です。


中は断熱構造が良いので小型ダルマストーブで十分!!

 非電化手煎り焙煎器「煎り上手」
コーヒーの生豆はアルカリ性の健康食品ですが、煎るとすぐに酸化してしまいます。
煎りたて、挽きたて、淹れたてコーヒーは酸化する暇がないので美味しくて健康にも良いそうです。
玄米、黒豆、ハト麦、胡麻、ピーナッツも煎ることができるとか。

非電化籾摺り機
家庭用の手動籾摺り機。一回に3合ほど籾摺り出来ます。
籾米で米の保存を考えている我々に必要なのはこれだ!!

以上、商売っ気の強い記事で申し訳ないですが見学したもの、商品紹介でした。

藤村さんは那須にて住民プロジェクト「那須を希望の砦にしよう」を主宰している、脱原発の活動家でもあります。
今回の震災・原発事故に際し、脱原発を叫ぶことは勿論大事だが、実際に起こってしまったことに対処をしていない事に疑問を持ち、那須を守っていく活動をしてらっしゃいます。
論だけではやはり駄目なのですね。

「福島原発事故と放射能線被曝対策」という冊子をつくり、純利益を活動費に当ててらっしゃいます。
かなり為になる冊子ですので、遊びに行ったときは是非。

那須では住民がお金を集め、住民が放射能レベルを測定して分析。
そうやって空気も水も野菜も牛乳もみんな測っていく。
安全なレベルでない値が測定されたとしても、しっかり目を見開いて対策をみんなで考える。
政府が頼りにならない今、こういう活動がものを言っていく時代です。
文句だけでなく、怖いと言うだけでなく、行動する、結果をだすことが大事なのでしょう。

ただ少し「幸せ度」を上げながらという芯が少し、弱いかなとは思いましたが。。。