参謀@補給断絶(Twitter ID @alyoto)さんからのレポートを掲載させていただきます。レポートの提供ありがとうございました。
籾米の状態で米を備蓄するため、ダンボールや不織布を使った保存方法を実践してみました。害虫忌避剤としては、防虫・防カビ・防水能力を持つ柿渋を使用しました。
使用したもの
籾米…品種はあきたこまち。通販で購入。
ダンボール…引越しの時に使用した一般的なダンボール。縦30cm、横43cm、高さ31cm
不織布…市販の排水口用水切り袋。百円ショップなどでも安価で売られている。
米袋…紙製の5kg用米袋。ホームセンター等で売っている。安価。
麻紐…不織布の口を縛るのに使用。
柿渋…国産の天然柿渋。通販で購入。1L。値段は1000円くらい。(結局、かなり余った)
布ガムテープ…ダンボールを閉じる。布テープなので強い。
ユニットの作り方
まず、ダンボールの両側と米袋の外側にハケで柿渋を塗ります。柿渋は床につくとなかなか取れないので注意です。できたら外に干して乾燥させます。
籾米を不織布の小袋に詰めていきます。水切り用の不織布はそのまま使うと薄すぎて破れそうなので、二枚重ねて籾を入れます。僕の場合、一つの小袋に700g~800gの籾を入れました。適量詰め込んだら、小袋の口を麻紐で縛っておきます。輪ゴムだと劣化してちぎれるので、紐を使うといいと思います。
不織布で小袋を作ったら、柿渋を塗った米袋(中袋)に詰めます。一つの中袋に4つ~5つの小袋が入ります。中袋一つでだいたい3kg~4kgの重さになります。
中袋を用意したら、柿渋を塗ったダンボールに詰めます。一箱に4袋入りました。この大箱一つで12kg~15kgくらいの重さでしょうか。この箱を一つのユニットとして保存します
4ヶ月置いた結果
さて、この方法でユニットを作成して収納したのが昨年の11月。
柿渋の効果とはどれほどのものかと思い、対照実験のために柿渋を使用しないユニットも作成して、時間をおいて両者を比較することにしていました。
四ヶ月近く経ったので、少し中を覗いてみました…
常温で置いておいた籾米を詰めたので、かなりの虫が混入していたはずなのですが…
結論からいいますと、ほとんど違いはありませんでした。
大まかに全体を見た感じですが、柿渋を使った方にも使わなかった方にも、小さな虫の死骸がわずかに確認できました。
また、どちらの不織布にも小さな穴がいくつか空いていました。虫が食い破ったのか、それとも籾が突き破ったのかはわかりません。
しかし、ユニットを作成したとき既に秋も終わりかけていたことを考えれば、虫たちも越冬に入ったのだと思います。
じっと息を潜めている虫もいるはずですが、多くは卵を残して死んだのかもしれませんね。
今回はこのまま箱を閉じて、3ヶ月後に再び確認してみようと思います。
6月~7月であれば害虫が活発になる時期ですし、新潟は湿度が非常に高い土地なので、柿渋の防カビ効果が現れるかもしれません。
保存方法についての考察
今回は一般的な家庭でも揃えられる資材を中心に使用しました。ダンボール一箱は成人が一人で運搬できる大きさ・重さを想定しました。当初は籾米を不織布に包んでそのままダンボールに入れるつもりだったのですが、耐衝撃性や防水性を高めるために紙製の米袋を使いました。また、この中袋一つであれば、子供や女性でも簡単に持ち運びが可能なので、分割して運搬する上で便利だと思います。ただし、紙袋を使ったことで通気性を大幅に低下させてしまっている可能性があるので、その点は検証が必要です。
実際に作ってみての感想ですが、大箱が重すぎたと思います。運搬するには問題ない重さですが、女性やお年寄りには重いかもしれませんし、押入れの上段など高いところに収納しようとすると、厳しいかもしれません。よって、家庭での運用ならもっと小型の箱に小分けしてもいいと思います。
また、柿渋を塗った当初は、柿渋の臭いがコメに染み付くのではないかと考えてしまったのですが、実際は問題ありませんでした。天然素材なので、特に嫌な臭いはしません。
それから、不織布に直接柿渋を染み込ませるのも有効かもしれません。ただ、乾燥させると柿渋が固まって不織布の穴を塞いでしまうので、その場合は希釈して薄めたものを使うといいです。
以上、現段階での報告です。
また数ヶ月後に報告致します。